僕が展覧会を開催するときには、それをきっかけにして(たとえ微小でも)世界が変わって欲しいという希望をもってしまいます。いや,、本当に正直に言ってしまえば、展覧会によって革命が起こってほしいと思っています。
ただ革命はちょっと強い言葉ですし、この言葉の男性ぽい響きに危うさを感じている自分もいます。果たして僕のこの欲望は、現代の表現者の希望として真っ当なものなのでしょうか?
一人で考えていても埒が明かないので、僕が尊敬するアーティストお二人をお呼びして、この問いについて議論する会を企画させていただきました。抽象的になりがちなテーマだと思いますが、できるだけ具体例を出しながら議論をすすめていければと思っています。多くの方のご参加をお待ちしております。(トモトシ)
トモトシ
1983年山口県生まれ、東京都拠点。2006年に豊橋技術科学大学建設工学課程を卒業後10年にわたって建築設計・都市計画に携わる。2014年より映像インスタレーション作品を発表。「人の動きを意識的に変化させる」ことをテーマに、都市空間を舞台として制作している。2020年より東京都・西荻窪にトモ都市美術館(現TOMO都市美術館)の企画・運営を行う。
主な展覧会に「ミッシング・サン(芸術競技2021)」(代々木TOH、東京、2021年)、「有酸素ナンパ」(埼玉県立近代美術館、埼玉、2019年)。
tomotosi.
布施琳太郎
アーティスト。1994年生まれ。2017年東京藝術大学美術学部絵画科(油画専攻)卒業。現在は同大学大学院映像研究科後期博士課程(映像メディア学)に在籍。洞窟壁画をはじめとした先史美術についてのリサーチとiPhoneの発売以降の社会の分析を下敷きに、絵画やインスタレーションなどの作品制作、展覧会の企画、運営、キュレーション、そしてテキストの執筆を行っている。
主な展覧会企画に「iphone mural(iPhoneの洞窟壁画)」(BLOCK HOUSE、2016)、「新しい孤独」(コ本や、2017)、「ソラリスの酒場」(the Cave/Bar333、2018)、「The Walking Eye」(横浜赤レンガ倉庫、2019)、「余白/Marginalia」(SNOW Contemporary、2020)、「隔離式濃厚接触室」(ウェブページ、2020)など。
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百瀬文 MOMOSE Aya
1988年東京都生まれ。2013年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。映像によって映像の構造を再考させる自己言及的な方法論を用いながら、他者とのコミュニケーションの複層性を扱う。近年は映像に映る身体の問題を扱いながら、セクシュアリティやジェンダーへの問いを深めている。主な個展に「I.C.A.N.S.E.E.Y.O.U」(EFAG EastFactoryArtGallery、2020年)、「サンプルボイス」(横浜美術館アートギャラリー1、2014年)、主なグループ展に「彼女たちは歌う」(東京藝術大学 美術館陳列館、2020年)、「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」(森美術館、2016年)、「アーティスト・ファイル2015 隣の部屋——日本と韓国の作家たち」(国立新美術館、韓国国立現代美術館、2015-16年)など。2016年度アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成を受けニューヨークに滞在。
ayamomose.