シネマスコープ16
森繁久彌と立川談志の系譜がある…と私が思っているだけですが、談志さんはシゲさんと呼び、尊敬されていまして。森繁さんが談志をどう思っていたかは知りませんけど。談志さんは「森繁の夫婦善哉を観て、喜劇に憧れた」と言っていて、やはり私の目に狂いはなかったし、私の好みの一貫性を確かめました。少なくとも、語り部なんです2人は。語るように歌い,歌うように語る。そんな素敵な翁は日本にもういませんね。
この2本がやっと!待ってました!とアマプラに入りました。
円熟味ました森繁久彌さんの「喜劇・女は男のふるさとヨ」を観ないと日本の喜劇は語れません。森崎東監督に山田洋次脚本、寅さんよりこっちがいいのは、森繁の味だけでなく、単に絵的なセンスが段違いだからです。ストリッパーの経営者森繁がストリッパーの流れ者の緑マコにかける情け、泣いて笑える喜劇は必見です。
談志さんも映画を企画しています「喜劇いじわる大障害」は駄作といえばそうですが、私は好きです。あの落語家やあのタレントの若い時がズラッと並んで、ドタバタ繰り広げますが、そのエッセンスは談志イズムそのもの。森繁久彌フォロワーとしての立川談志がいたことを証明する一作です。
何も考えずにお越しください。
喜劇いじわる大障害
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1970年代。若者のあこがれの的・東京。猪狩次郎は両親の反対を押し切り大望に胸を膨らませ、一路東京へと向かったが、財布をスラれてしまう。カネを取り返そうとするとケガをして昏倒。さらに担ぎ込まれたインチキ産婦人科でデタラメな治療を受け、踏んだり蹴ったり...。
監督
藤浦敦
出演
岡崎二朗, 夏純子, 宮城千賀子
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喜劇・女は男のふるさとヨ
ストリッパーの斡旋所「新宿芸能社」を経営する金沢夫婦の前に笠子が姿を見せたのは7年振りのことだった。笠子は、旅先から送金した金が500万になったので、そろそろ身を固めるつもりで帰ってきたのだが、帰るそうそう昔のヒモに、暴力バー「コスモス」に連れ去られるという事件に巻き込まれてしまった。金沢は、笠子を取戻しに、単身「コスモス」に乗り込み、傷だらけになって帰ってきた。怒った竜子は汚物の入った肥桶を店内に蹴り込んだため、翌日お礼参りにあったが、徳田刑事が駆けつけたので、大事に至らず落着した。笠子は、この事件に責任を感じ、また旅に出た。そして、九州で照夫という貧相な自動車修理工と知り合い、相手が妻子持ちとも知らず、結婚するために急ぎ上京した。しかし、真相がわかるとたちまち大喧嘩となり、また一人旅に出た。「コスモス」事件の一ヵ月後、旅に出ている笠子の書状をも…
監督 森崎東
出演 森繁 久彌, 倍賞 美津子, 緑 魔子